【4P戦略シリーズ第2弾】どのようにしてコメダ珈琲は店舗数を増やしてきたのか?

最近、都心にもコメダ珈琲店が多く出店されてきていますよね。

電源が用意されていたり、長時間くつろげる店内が整っています。
私がいつも使用する最寄り駅近くのコメダ珈琲店も土日になると
行列ができており、すぐに入れなかったりするほど人気だったりします。

そんなコメダ珈琲の店舗数は近年急増中です。利益率も以下のグラフからわかるようにダントツで高いです。

もとは名古屋発祥のこのコメダ珈琲ですが
ドトールやスターバックスと比べると、東京進出は遅いはずなのに
ここまで店舗数を伸ばしてきた裏にはどんな販促活動があったのでしょうか。

今回の記事では、コメダ珈琲の販促事例をみていきましょう。

はじめに:コメダ珈琲が大事にするフルサービス

コメダ珈琲の販促活動を見ていく前
まずはコメダ珈琲が他のカフェチェーン店と異なる点を見ていきます。

コメダホールディングスのHPでは以下のように記載があります

当社グループは、「私たちは"珈琲を大切にする心から"を通してお客様に"くつろぐ、いちばんいいところ"を提供します」を経営理念に掲げ、お客様のくつろぎにこだわった店づくり・独自製法と材料にこだわった自社製造商品・独自のFC運営システム等の強みにより、外食市場における独自のポジションを確立し、FC加盟店を中心に全国でフルサービス型の喫茶店のチェーン展開を行っております。

ここでいうフルサービス型というのが他のカフェとは違う点であり、他社と差別化できている点ではないでしょうか。低価格で気軽にコーヒーが飲めるドトールや、サードプレイスとしてくつろぎの空間を提供するスタバも
それぞれ強みがありますがセルフサービスです。

一方、コメダ珈琲は「フルサービス型の喫茶店であり、店舗店員がお客様に対して席への案内、お水・おしぼりの提供、ご注文の伺い、ご注文された商品の提供を行う喫茶店として、喫茶店という枠ではなくレストランのように、休みの日のちょっとした贅沢のように感じられるのではないでしょうか。

このようにサービス面で他社と明確に異なるサービスで付加価値を提供した点も販促につながる点です。

①コメダ珈琲のProduct戦略 ~日本人は限定に弱い??~

まずは製品(Product)に関する販促です。

コメダ珈琲では定番メニュとしてシロノワールがあります。

シロノワールは温めたデニッシュパンの上にアイスクリームを載せたスイーツです。
暖かいものと冷たいものを交互に食べる食感が絶妙で、他店にはない看板メニューとなってます。

そしてドリンクも長靴型や瓶型などかわいいグラスに入っていてインスタ映えもします。

他にも限定メニューとしては、前述したシロノワールに季節ごとに限定商品を出したり
ゴディバなどの企業とのコラボ商品もあります。
コメダの発祥の名古屋はモーニングも有名ですが、コメダも朝限定でドリンクにパンがついてきます。

少し話は逸れますが、日本人は「限定」という響きに弱いといわれております。
理由は諸説あるようですが、一説には日本には四季があることが挙げられるそうです
桜は春の一時期にしか見れないですし、花火は夏しか見れません。
秋は食欲の秋で旬の食べ物などが多く、冬はこたつにくるまってみかんを食べがちです。
そういった短い期間でしか体験できない行事や旬の食材が多い日本人だからこそ
「限定」という響きを大切にする傾向にあるそうです。

うまく定番メニューと限定メニューを組み合わせて
顧客の注意を惹くことも効果的な販促をしていきたいものですね

②コメダ珈琲のPlace戦略 ~非日常感を味わえるくつろぎ空間~

次に立地(Place)に関する販促の方法です。

コメダ珈琲は昭和型の喫茶店をイメージしてつくられています。
そして外観は山小屋をイメージしたつくりになっており、店内も木を基調にした内装で統一されてます。
温かみのある木の感じが、ついつい長居してしまいそうですね。

また郊外に出店する際には必ず駐車スペースも確保するそうです。
駐車スペースを設計してから出店箇所を決めているそうです。
駐車スペースは広めにとってあることで、出るのが難しかったりするようなこともないようにしているそうです。

他にも「階段を使って上がる店舗にしない」「建物の近くに背の高い樹木は植えない」など
気軽に来店してもらうための工夫は様々あるようです。

このような細かいことの積み重ねが「コメダ珈琲」のブランドイメージを作ることにつながるのだと思います。
ブランドイメージを守るために、内装、外装、立地まで統一感を持ったコンセプトにすることは
販促する上で重要な要素となります。

なぜいま“昭和型”の喫茶店「コメダ珈琲店」が人気なのか:新連載・高井尚之が探るヒットの裏側(2/2 ページ) - ITmedia ビジネスオンライン

ジャーナリスト・経営コンサルタントの高井尚之氏が、人気企業・人気商品の裏側を解説する連載。今回は急成長中のコメダ珈琲店について読み解く。

③コメダ珈琲のPrice戦略 ~逆写真詐欺と言われるコスパの高さ~

次に価格に関する販促の方法です。

コメダ珈琲の商品は他のお店と比べるとお値段はお高めです。
ドトールのブレンドコーヒーSサイズで250円、スタバのコーヒーShortサイズ350円の中で
コメダブレンドは460円です。

価格だけ見ると他店よりも高いわけですが、コメダ珈琲では商品を注文してから、提供されたときに
「あれ?思ったより大きいな。。」
と思うことが多いようです。
ドリンクだけでなく、フードもメニューで見たときよりも大きくてびっくりすることが多いようです。
ネットではコメダ珈琲は「逆写真詐欺」ともいわれているほど、
値段の割に量が多くてコスパが良いです。

圧倒的なボリュームで口コミを誘発することも、一つの販促の事例ではないでしょうか

④コメダ珈琲のPromotion戦略 ~地域限定ジャムや地域密着イベント~

最後にプロモーションに関する販促の方法です。

コメダは他のカフェ店舗と異なりFC店舗が多いことから独自のプロモーションで販促ができます。
コメダの店舗数は98%がフランチャイズチェーン(FC)店です。

一方でスタバは大半が直営店であるのと比べると
FC店のメリットとして出店コストを抑えた急速な店舗拡大が可能です。

さらに、コメダ珈琲は中央集権的な本部主導ではなく
地域特性や立地によって現場の創意工夫が可能となっています。
このようにFC店舗が多いという特徴を活かして
現場の自由なアイデアをもとに、各店舗がそれぞれ販促活動がしやすくなっています

まとめ

コメダ珈琲は高単価はあるものの快適な空間の提供により利益も向上させてきました。中小の喫茶店も大企業が行うような回転率を上げた薄利多売モデルではなくコメダ珈琲のような快適な空間の提供で高付加価値のサービスで戦っていったほうが良いかと思います

コメダ珈琲の販促の成功事例を見ると非常に興味深い点が多いです。
実際にスタバやドトールと比べると東京進出は後発にも関わらず、業界3位になるほど店舗数を伸ばしてきました

その店のオリジナリティをわかりやすい形でお客様に伝えることが販促の上では重要です。

なお4Pの切り口で吉野家を分析したこちらの事例も参考になると思います。
是非こちらの記事も読んでみてください。

【4P戦略シリーズ第1弾】販促活動に必要な4つの切り口!~吉野家でみる4P戦略~

飲食店で重要なのは販促だと思います。どれだけおいしい料理を提供できたとしてもそれだけではお客様が来ることわけではなく、販促がしっかりできている必要があります。…

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