外国人スタッフを雇う際のポイント!~活用できる助成金・システムのご紹介~
日本企業の人手不足はどこも深刻です。それは飲食店も例外ではないです。
最近の飲食店では、ホールスタッフやキッチンスタッフに外国人スタッフさんがいることも珍しくないです。
とはいえ、深刻化する少子高齢化による労働人口の減少により、外国人の方を採用するのも難しくなりつつあります。
そこで、外国人雇用の現状、外国人労働者のメリット、デメリット、外国人を採用する上で活用できる助成金・補助金をまとめました。今回の記事は
・外国人スタッフの雇用を検討している
・外国人スタッフ雇用時に補助金、助成金を活用したい
・外国人スタッフは雇用しないが、飲食店の業務効率化に興味がある
という方に読んでもらいたい記事となります。
外国人労働者は年々増加している
まずは2024年度版中小企業白書をご覧ください。
外国人労働者は就業者全体に占める割合は年々増加しております。
2017年は127.9万人から2023年10月末時点では204.9 万人まで年々増加しており、就業者数全体に占める割合も、3.0%となっています。
今後も、生産年齢人口における外国人割合は2070年に14.9%になるとの予測もされています。
このように、日本の企業は飲食店に限らずですが、外国人スタッフが増加することが想定されるため
外国人スタッフの受け入れ態勢を考えることは重要になってきます。
外国人労働者を雇うメリット・留意点
外国人労働者を雇うことのメリット・デメリットをまとめてみました。
まずメリットとしては、人手不足解消が大きいところでしょう。
国民性にもよりますが勤勉な国の方が採用できれば、戦力になります。
また、最近はインバウンド客が増えてきていることもあり、
インバウンド客への多言語対応が可能となる点もメリットとして言えそうです。
(日本人はなかなか英語の苦手意識がある人も多いので^^;)
一方で、デメリット(留意点)としては、マニュアルに載っていないトラブルに対して、
柔軟な対応ができない点が挙げられます。
日本の文化が理解できていないことで、クレームにつながるケースもあるかもしれません。
その意味でも、どこまでを外国人労働者に対応してもらうのか、業務の線引きは重要になってきます。
外国人労働者を受け入れるための施策案
なるべく外国人スタッフへの教育を円滑に進めるべく、DXを活用できる部分は活用していきたいところです。
例えば以下のような設備・システムを導入することで、極力外国人スタッフの業務内容を極力削減できます。
まずは店外に並ぶ行列を整理するための順番待ちシステムです。
これにより、お店側は現在のどれくらいの人数が、何人組の顧客が並んでいるのかを把握でき、
スムーズな店内誘導に活用することができます。
また、飲食店でよくあるのが店員さんを呼んでから注文を考え始める、というお客さんも多いようです。
その間店員さんの時間を拘束してしまうという問題も発生します。
そこで、セルフレジ券売機やモバイルオーダーを活用することでそれらの問題も解決できます。
ホールスタッフさんの仕事を減らすためにも、セントラルキッチンを活用することも有効です。
これにより、人による品質のバラつきを減らすことができ、安定した料理を提供することが可能になります。
助成金や補助制度
外国人雇用のために、国も様々な助成金を用意しております。具体的には以下の通りです。
厚生労働省が管轄している人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)では
賃金要件を満たせば支給対象経費の2/3(最大72万円)を受け取ることができます。
詳細はこちらのHPをご覧ください。
また他にも、国際人材協力機構(JITCO)では
外国人技能実習制度に関する様々な申請手続きや、実習生の受け入れ準備や、外国人技能実習制度に関連するセミナーを提供しています。
詳細はこちらをご覧ください。
成功事例:鍋ぞう
1つ成功事例として挙げられるのは、しゃぶしゃぶ・すき焼き専門店の「鍋ぞう」です。
鍋ぞうでは、全スタッフの4割が外国人スタッフのようです。
日本産業新聞社の2019年2月24日の記事によると
・2015年頃から他社に先駆けて、訪日外国人客の受け入れを推進
・ハード面ではメニュー、販促物の多言語化、QRコード決済を導入、クレジットカード決済導入
・ソフト面では、多国籍のスタッフを採用し母国語でのサービスを実施
これらの施策により日本のおもてなしを感じてもらえる店舗設計にしたとのことです。
結果として、外国人利用者が顧客全体の8割になっており、インバウンド客を取り込めています。
世界最大の旅行口コミサイト「トリップアドバイザー」では、外国人に人気の日本のレストラン部門で全国2位を獲得してます。
このように、他社に先駆けて日本のおもてなしを提供することで差別化を図れた良い事例かと思います。
今回は、外国人採用におけるメリットデメリットから、外国人労働者を受け入れる際の施策、助成金等を紹介させて頂きました。
インバウンド客が戻りつつある中で、しっかり需要を取り込めるよう、チャンスを獲得していきたいですね。