お客様に選ばれるお店を考える
飲食業界はコロナの影響で厳しい状況が続いています。
さらにコロナ禍により、世の中の価値観やライフスタイルも大きく変化しつつあります。
飲食店経営者の方々の中には、今後どのように経営していくか悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
今回は、どうしたらお客様に選ばれるお店になるのかについて、書籍『マンガ 新人OL、つぶれかけの会社をまかされる』(2016/5/25 佐藤 義典 (著) 青春出版社)をヒントに考えてみました。
(こちらの書籍ではマーケティングの考え方をストーリーで分かりやすく説明しているので、入門書としてもおススメです。)
お客様を観察して、「お客様がお店に求める価値」は何か考えよう
飲食店経営者の方々がお店の改善を考えるとき、まず思い浮かぶのは、「料理」や「価格」の検討ではないかと思います。
これらももちろん大事です。
しかし実際はお客様によって、飲食店に求める価値は様々です。
「このお店に仕事帰りに友人と寄ると、何だか話が盛り上がる」
「1人でふらっと立ち寄って、女将に話を聞いてもらうのが楽しい」
「会社の大人数の飲み会で利用するのにちょうどいい」 …
お客様はこうした各自が持つ「お店に来る理由」=「お店に求める価値(ベネフィット)」に対してお金を払っていると言えます。
そして「自分が求める価値を満たしてくれるお店はどれか」という観点で、
お店選びは、内装、音楽、接客、雰囲気、立地、お店の広さ、、など、様々な要素を総合してお店を選ぶことになります。
つまり、お客様がお店を選ぶときに選ばれるお店になるためには、
「たくさんあるお店の中で、なぜ他店でなくこの店に来てくれるのか?」
=「お客様がお店に求める価値(ベネフィット)」を知ること
が大事と言えます。
しかし、このお客様のお店選びの「肌感覚」は、お店側からはなかなか分かりづらいものです。
この「お客様がお店に何を求めて来店してくれているのか」を理解するためには、来店しているお客様の様子をよく観察することが大事です。
どんな人が誰と来て、どんなものを食べ、どんな会話をするのか。どんな顔をして帰ったのか…。
そして、お店はお客様が喜ぶ価値をしっかり提供できているのか。
観察してみると、「お客さんとして会社帰りのサラリーマンを考えていたのに、実は若い女性が多い」とか、「店側としてはこのメニューが一押しなのに、なぜかこのメニューが良く出る」・・・など、色々な気づきがあるかもしれません。
マーケティングの考え方
なお、お客様を観察して、お店に求める価値が見えてきたら、その後どうしたらいいのでしょうか。
マーケティング手法の大まかな流れは下記になります。
〇 お客様を「お店に求める価値(ベネフィット)」で分類し、
その中からお店の「ターゲット」を決定する。
〇 「ターゲット」が他のお店よりもこのお店を選ぶ理由である、
お店の「強み」を明確にする。
〇 「強み」を、さらにお客様に伝えるために、
「4P」(売る物(Product)、売り方(Promotion)、売場(Place)、売値(Price))を
改善する。(ターゲットの心に刺さるためには、4Pに一貫性を持たせることが大事)
〇 「4P」を強化した結果、競合店舗よりもお客様の求める価値(ベネフィット)を提供すれば、
お客様に選ばれる。
変化の激しい時代において、お客様の価値観はどんどん変化していきます。
将来の方向性を考えるヒントを得たいとき、まずは「お客様を観察」し、お客様の求める価値を探ることも有効かもしれません。
そして自身のお店のお客様はもちろん、ライバル店、他業態の飲食店、飲食以外のお店・・・など、
色々と比較しながら観察すると、時代に対する感度も高まると思います。
ぜひ実践してみてください!