中小企業等の新たな支援策「事業復活支援金」の申請はいつまで? 給付要件や手続きについて解説
新型コロナウイルスで苦しい状況に陥っている中小企業や個人事業主(以下、中小企業等)への新しい支援策として事業復活支援金の受付が2022年1月31日より開始されました。
最大250万円の給付、5月31日(火)が締切です。既に概要についてはニュース等でご存知の方も多いかと思いますが、具体的な給付要件等について解説していきます。
事業復活支援金とは
事業復活支援金は新型コロナウイルス感染症の影響を受け、売上が減った中小法人や個人事業者を支援する制度となります。令和3年12月20日に成立した令和3年度補正予算における施策です。予算規模としては総額2兆8,032億円が計上されています。
また、また、令和4年1月26日に、公募詳細を記した特設ページがオープンしました。
支援金の詳細
申請期間
2022年1月31日(月)~5月31日(火)
給付対象
次の1と2を満たす中小法人・個人事業者
- 新型コロナウイルス感染症の影響※を受けた事業者
- 2021年11月~2022年3月のいずれかの月(対象月)の売上高が、基準月(2018年11月~2021年3月の間の任意の同じ月)と比べ、50%以上または30%以上50%未満減少した事業者
※新型コロナウイルス感染症の影響
- 国や地方自治体による、自社への休業・時短営業やイベント等の延期・中止その他のコロナ対策の要請(個人消費の機会の減少につながるもの)
- 国や地方自治体による要請以外で、コロナ禍を理由として顧客・取引先が行う休業・時短営業やイベント等の延期・中止
- 消費者の外出・移動の自粛や、新しい生活様式への移行
- 海外の都市封鎖その他のコロナ関連規制
- コロナ関連の渡航制限等による海外渡航者や訪日渡航者の減少
- 顧客・取引先が1〜5、7〜9のいずれかの影響を受けたこと
- コロナ禍を理由とした供給減少や流通制限
- 国や地方自治体による休業・時短営業やイベント等の延期・中止その他のコロナ対策の要請(業務上不可欠な取引や商業機会の制約につながるもの)
- 国や地方自治体による就業に関するコロナ対策の要請
給付金額
給付上限
中小法人等:上限最大250万円
個人事業者等:上限最大50万円
給付額は以下の計算式で計算されます。
給付額の算定式
給付額 = 基準期間(※1)の事業収入の合計 - 対象月(※2)の月間事業収入 × 5
(※1)以下のいずれかの基準期間
2018年11月~2019年3月
2019年11月~2020年3月
2020年11月~2021年3月
(※2)2020年11月~2021年3月のいずれかの月
なお、事業収入には新型コロナウイルス感染症対策として国又は地方公共団体による支援施策により得た給付金、補助金、助成金等が含まれる年又は月については、その額を除いた金額を用います。
(控除すべき給付金等の例)
持続化給付金や家賃支援給付金、一時支援金、月次支援金、 J-LODlive補助金、事業再構築補助金、雇用調整助成金(新型コロナウイルス感染症に伴う特例)を含めた新型コロナウイルス感染症対策に関連する給付金・補助金や、新型コロナウイルス感染症対策として地方公共団体による休業・営業時間短縮に伴い支払われる協力金などが挙げられます。
ただし、対象月中に、地方公共団体による休業や営業時間短縮の要請等(「時短要請等」)に応じており、その協力金等(時短要請等に応じた者に対して支出する金銭をいい、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金のうち協力要請推進枠交付金が充てられるもの)を受給する場合は、受給した協力金等の額(協力金等を申請予定又は申請中であって未受給の場合は、申請者が申請して受給を見込む額を用います)のうち、「対象月中に時短要請等に応じた分」に相当する額を対象月の月間事業収入に加えた額を用います。
申請の流れ
登録確認機関とは
- 不正受給や給付対象を誤って理解したまま申請してしまうことへの対応として、申請希望者が、①事業を実施しているか、②新型コロナウイルス感染症影響を受けているか、③給付対象等を正しく理解しているか等を事前に確認します
- 具体的には、「登録確認機関」が、TV会議又は対面等で、事務局が定めた書類(帳簿等)の有無の確認や宣誓内容に関する質疑応答等の形式的な確認を行います
- 登録確認機関は以下のサイトから検索できます
https://reservation.ichijishienkin.go.jp/third-organ-search/ - 過去に一時支援金または月次支援金を受給された方、継続支援関係にある登録確認機関がある方は申請ステップを一部省略・簡略化できます
継続支援関係とは以下のいずれかに該当することを指します
・商工会、商工会議所等法律に基づき特別に設置された機関の会員・組合員
・税理士、行政書士等の法律に基づく士業の顧問先
・金融機関の事業性投融資先
・登録確認機関の反復継続した支援先
登録確認機関の分類
①認定経営革新等支援機関 | 中小企業等経営強化法に基づき認定を受けた税理士、中小企業診断士、行政書士など |
②認定経営革新等支援機関に準ずる機関 | 商工会/商工会連合会 商工会議所 中小企業団体中央会 農業協同組合/農業協同組合連合会 漁業協同組合/漁業協同組合連合会 生活衛生同業組合 商店街振興組合/商店街振興組合連合会 預金取扱金融機関 都道府県生活衛生営業指導センター |
③上記を除く機関又は資格を有する者等 | 税理士/税理士法人 中小企業診断士 公認会計士/監査法人 青色申告会連合会/青色申告会 行政書士/行政書士法人 |
一時支援金または月次支援金を既に受給された方
- マイページから提出書類を添付して申請(過去受給時の情報を活用可能できます)
一時支援金または月次支援金を既に受給していない方
- ホームページの仮登録画面にメールアドレスや電話番号を入力し申請IDを発番
- ホームページで登録確認機関を検索
(こちらから検索できます) - 登録確認機関にメールまたは電話し、事前予約
- 登録確認機関の事前確認
※継続支援関係にある登録確認機関がある方は、事前確認を電話による受けるなど簡略化されます - マイページから提出書類を添付して申請
申請書類
一時支援金および月次支援金を受給しておらず、継続支援関係関係がない方は、以下1〜8すべての書類が必要となります。
- 履歴事項全部証明書(法人)または本人確認書類(個人)
- 確定申告書類の控え
- 対象月の売上台帳等
- 振込先の通帳
- 宣誓・同意書
- 基準月の売上台帳等
- 基準月の売上に係る1取引分の請求書または領収書等
- 基準月の売上に係る通帳等
最後に
いかがでしょうか。新型コロナウイルスの影響によって売上が下がった飲食店経営者にとってこうした補助金を有効活用することが資金繰りの改善に向けて重要となりますので前向きにご検討頂くことをお勧めします。
当研究会には飲食店経営診断の知見を有するメンバーが多数在籍しており、補助金申請に向けた相談を受けることも可能です。是非お問い合わせページよりご相談をお待ちしております。
当研究会では中小企業診断士資格を持つ様々なメンバーが、飲食店の診断実務ができる人材の育成と組織体制の構築を目的として、会員の経営診断技術の研鑽や、研究会の診断ノウハウの蓄積を行っております。
具体的には、研究会(月1回)の飲食業界に関する調査研究や、オープンセミナーの開催、プロジェクトチームでの飲食店支援実務など、幅広く活動しております。