ハッピーアワーの魅力再発見──お客様もお店も“ハッピー”になる仕組み
都内では昼と夜で業態分けをしている飲食店が多いです。例えば、居酒屋がランチ営業を始めたりするのは、家賃の高い都内では経営資源を有効活用する意味でも非常に有効な施策です。 個人的に良いと思うのはPRONTOです。PRONTOは昼はカフェ業態、夜は居酒屋スタイルで営業をしております。2つの業態により昼はカフェ目的の若者や主婦、夜は会社帰りのサラリーマンと、目的の違うお客様を取り込むことが可能となります。このような2つの業態は、立地コストを最大限に活かせるため注目されています。
とはいえ、中小の飲食店はいきなりランチもディナーも行うにはハードルが高いかもしれません。そこで、まずはハッピーアワーなどの開始により、少し開店時間を開始するなどの取り組みから始めてみても良いかもしれません。そこで今回はハッピーアワーについてまとめてみました。
ハッピーアワーで人を呼び込むメリット
ハッピーアワーの施策について考える前に、本当にハッピーアワーを実施することが効果的なのかデータを探してみました。
ぐるナビPROによるとハッピーアワーがあれば有効に活用していきたいという声は全体の約34.3%あります。(参考:ぐるなびPRO)
また、ハッピーアワーを開始することでどれほど効果があるのかデータを探してみました。残念ながら日本国内ではデータがなかったのですが、海外では以下のような結果が出ております。
- ハッピーアワーを実施するバーは、ハッピーアワー時間帯の売上が平均約26%増、取引件数が約24%増になったという業界データがあります(参考:米国の飲食業界レポートNRN)

ハッピーアワーの売上以外のメリット
売上面以外にも以下のようなメリットが想定されます。
①閑散時間の「にぎわい演出」
②新規顧客の「お試し利用」の促進
③新規スタッフへの「育成・接客トレーニング」
④地域・オフィス街との「関係強化」
誰もお客さんが入っていないお店は少し入りづらいですよね?①は少し早めにお客さんが入ることでにぎわっている感じを出せます。
また初めてのお店は立ち寄りづらかったりもするので、少し値段を抑えめにしたハッピーアワーなら「お試し利用」として使ってもらうことも可能です
③は新しく入ったスタッフをいきなり繁忙時間に入れるとしっかりトレーニングする機会もないです。そこでハッピーアワーを教育時間にすることでスタッフにしっかり教育することができます。
④はオフィス街であれば、ハッピーアワーによる「ちょっと一杯」として立ち寄ってもらえれば、客数増加にもつながります。個人的な話ですが「ちょっと一杯」で本当に一杯で終わったことはなかなかないので(笑)そういう意味でもハッピーアワーは売上増加にもつながっていくと思います。
どのようにハッピーアワーを”設計”するか
ハッピーアワーとはただ安いだけじゃないです。もちろん安いのも重要ですが、どのメニューを安くするか、誰に訴求していくかが重要です。
①目的を明確化する
②時間・曜日を戦略的に設定
③割引・特典の設計
①のハッピーアワーの目的を明確にすることが重要です。例えば来店客を増やしたいのであれば。時間を広くとり、価格インパクトを強く訴求します。
②は平日毎日ハッピーアワーを実施するのも良いですが、最も来客数が少ない曜日だけに設定するのも一つの方法です。
③は何を割引にするかです。わかりやすいのはドリンク割引などで、手軽な方法です。それ以外にも食べてもらい看板商品+ドリンクを割引するなど、お店の強みをわかってもらい、長くいてもらうorリピーターにする、などの方法も有効です
いづれにしても「ハッピーアワーのターゲットは誰なのか」により、次に記載するハッピーアワーの訴求方法も変わってきます。
どのようにハッピーアワーを”訴求”するか
では、どのようにハッピーアワーを知ってもらうかの視点も検討してみます。
①店頭・店内での見せ方を変える(オフライン施策)
②SNS・デジタル告知(オンライン施策)
①オフライン施策は店頭看板や黒板に「時間・内容・価格」を記載するのは目に入りやすい方法です。また席札やメニューに「ハッピーアワー実施中」タグを追加するのも良い方法です。
②のオンライン施策としてはSNSを活用することです。Instagramストーリー/リールで当日投稿するのも良い方法です。LINE公式アカウントでプッシュ通知で「今日だけ実施!」など目を引く言い方をするのも良いです。日本人は限定に弱い、とも言われているので、伝え方も一工夫すると良いです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。開始時間を早めることでハッピーアワーを実施できますので、従業員のシフトなどの折り合いがつけば開始しやすい手法だと思います。
ぜひ、まだ実施していない飲食店は検討してみるのも一つだと思います。また検討した上で、やはり通常の営業時間だけで勝負をするのも、選択と集中の視点からは良いことだと思います。
売上向上の施策の一つとして検討してみてください。


