2022年度セミナー報告「コロナで苦境の酒蔵を救え!養老乃瀧が仕掛ける産学連携について聞こう!」 

当会(飲食業界研究会、略して飲酒研)は年1回、飲食業界で働く外部の方を講師としてお呼びして、セミナーを開催しています。

2022年度は、3月22日、「コロナで苦境の酒蔵を救え!養老乃瀧が仕掛ける産学連携について聞こう!」と題したセミナーを開催しました。養老乃瀧といえば居酒屋チェーン店の先駆けとして知られていますが、「最近は町おこしのようなことをやっているとかいないとか・・・」という関係者の噂を聞き、「昨今のSDGsに近い話を聞ければ」と、考えてお呼びしました。

開催場所は池袋駅徒歩30秒の場所にある養老乃瀧本社4階、「YRイベントホール」です。
当日は第一部が講演会、第二部が懇親会の二部構成でした。

まずは当会主催、井上会長の開始の挨拶の後、講師である「株式会社 養老の瀧 Smile lab室長 籾谷(もみや)氏」の講演が行われました。

籾谷氏は、入社以来国内店舗の店長や統括マネージャーの他、海外での店舗立ち上げ等、一貫して売上や利益を追求する最前線に立っていたそうです。そんな氏が、一年前に移ったのが、当時新設されたばかりのSmile lab。

主な仕事は、養老乃瀧の社是である「笑顔が集う場所」を体現する活動、つまり従業員やお客様だけでなく、取引先などすべてのステークホルダーが笑顔になることを目指す施策を実施することです。

具体的には、
 ・「としま情熱基金」というNPO団体への協賛と、豊島区のために活動している団体の表彰・援助
 ・シングルマザー協会への協賛と、シングルマザーの援助や積極的な雇用
といったことを、普段は、行っています。

一年前、池袋の街おこしで関わりのある企業より、「長野県伊那市の酒蔵4社が、今まで酒を卸していた飲食店がコロナにより休業したため、酒が売れずに困っている」という話が、入ってきました。そこで、製罐メーカーと地元池袋の立教大学の観光学科の学生とコラボして日本酒の一合缶と酒アイスを作るとともに、そのお酒に合うおつまみとを合わせて自店で組み合わせ販売するというフェアを開催しました。その他、YouTubeチャンネルを開設して日本酒の宣伝をしたり、酒蔵の杜氏をゲストに迎えての日本酒の会を定期的に開催し日本酒ファンの掘り起こしを行ったり等、様々なことに取り組んでいるというお話がありました。

休憩を挟んだあと、第二部は懇親会となりました。バイキング形式で提供された料理を前に出席者同士の会話も弾む中、急きょ講師を交えての質疑応答タイムが設けられ、会は大いに盛り上がりました。提供された料理についても、出席者の方より「養老乃瀧といえば、昔の『赤ちょうちんのオヤジの店』というイメージが強かったけど、思ったよりおしゃれで美味しかった」という感想もいただき、全員おなか一杯満足して会は終了となりました。

現在、居酒屋業界は人口の減少による客数減の他、人件費や材料費の高騰といった大きな課題があり、その流れは今後も続いていくことが予想されます。
新規顧客を開拓するより、何度も自店に来てくれるファンを増やすことが現実的な施策になるでしょう。「自社のみ利益が出れば良い」という姿勢ではもはや生き残ることは難しく、お客様や自社に関わる全ての人をコミュニティーの一員と捕らえて笑顔にさせる、という社是は今後の企業に参考になるのではないでしょうか。
コロナ禍が明けて久しぶりに懇親会に参加している出席者の方々の笑顔を見ていると、居酒屋受難の時代と言われていても、「美味しいものを皆で囲んで食べて元気になる」ことや、「お酒を飲んでほっとする」ことへの需要はなくなるものではないのだと感じることができました。
今後も当会として、地域のために頑張る飲食業界を応援していきます。

ちなみに、今回会場として利用させて頂いた、YRイベントホールですか、こんな駅近でセミナーができることはあまり知られていないようなので、会場探しをしている方、是非お問い合わせしてみると良いでしょう。宴会とセットで開催すると、会場費はほぼゼロで借りられるようです。

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